ぺんてるケリーのボールペン化再考

ぺんてるケリーのノック式ボールペン改

「ケリーのボールペン化って前もやったよね」「色が違うだけじゃね」とか言わないでください。もちろん色違いというだけではありません。(ノックボタンもオリジナルになってるし)

2本目のケリーを買ってしまったのです。よく見ると本体のプラスチックは染料とうまく溶け合っていないのか色むらがあって少し残念ですが、そこのところはグッと目をつむります。

前にも書きましたが真ん中のリングと言うかロートレットと言うのか、銀色メッキに輝く部分は好きじゃないので変えました。(後述)

で、この紫もボールペンにしようか、とも考えたのですが、中身を入れ替えたらボールペンにすることができるので、2本とも改造する必要は無いと思いとどまりました。

しかし、先にやったPILOTのバーディーを仕込むやり方は(まだ接着していないとは言え)中身の交換と固定位置の調整が面倒です。簡単に着せ替えする方法を模索したのであります。

外見は先の改造からあまり違った気がしないケリーです。

分解すると、こんな感じになります。

これで一応、ケリー本体にテープや接着で固定することなく、中身を入れ替えることで比較的簡単にボールペンとシャープペンを行き来することができます。(ケリーが1本しかない場合は無理です。念のため)

ケリーの本体は前後に分かれており、真ん中のロートレットに両側からねじ込むことで一体化していますが、真ん中には3㎜位の隙間があります。

この隙間を利用してプラチナの手帳用ボールペンをケリー内部で固定してしまえば良いのではと試してみたのが今回の改造になります。

 

先ず、前回使用したバーディーでは無くプラチナの手帳用ボールペンを選んだ理由ですが、本体の直径が6㎜だったからです。固定するためのリングを作るのに、内径6㎜外径8㎜のパイプは手持ちにありましたが、内径5.5㎜は持っていませんでした。

それから、ノックボタンの加工です(後述)。プラチナはノックボタンがプラスチックに金属のカバーが被せてあるだけですので、このカバーを外せば加工は楽ですが、バーディーは全部金属なので、削るのが面倒でした。この辺をカバーできるのなら、バーディーでも同じように作れると思います。

ボールペンの本体を切って位置調節をしますが、とりあえず長めに切って調整します。どうやらボールペン本体軸の径には個体差があるようで、ケリーの本体軸前部に差し込むと止まる位置が微妙に違います。私の場合は最終的に53㎜になりましたので、そのあたりを参考にしてください。なお、私の2本のケリーには個体差が見つかりませんでしたが、そのほかのケリーについては保証はできません(とは言っても固定するのは真ん中なので、先端が入りにくい時はボールペン側を削れば良いだけです)

ボールペン本体軸の先に短くしたテープでも張れば、とりあえずケリーの本体に固定できるので、全ての動作確認はリングを取り付けする前に行っておきます。

 

偶然ですが、今回は4C芯そのままの長さでノックできます。その分融通も利かないので、どちらが良いのかわかりませんがとりあえず、いつものように4C芯に適当なシャープペンの芯タンクを流用してスプリング止めを作ったら、ノックした時に4C芯と芯タンクがずれないよう、4C芯と芯タンクの内側をカバーできるパイプ(前回と同じく外径3.1㎜、内径2.5㎜のパイプを使っています)を準備して長さが4C芯の後ろと同じになるように切ります。

 

ノックボタンの加工です。ボールペンのノックボタンから金属カバーを外し、ケリーの芯タンクが被せられるように削り、ケリーのノックボタンも10㎜位になるよう削ります。

写真の通り、オリジナルのシャープペンと比べノックボタンは長く出ることになりますが、同じ長さではボールペンとしてのノックをするストロークに足りません。例えキャップを外した状態ではノックできてもキャップを被せると全然足らなくなります。

 

次にリングを準備するわけですが、内径は6㎜、外径8㎜が丁度良いと思います。最終的に3㎜の長さになっていますが、リングを挟んだ状態で順番に前後の本体を締めてみて、先に占めた方を緩め、後に占めた方を更に締めてみた時にまだ動くようであれば、まだ削る余地があるというように判断しながら調整したつもりです。少し甘かったかもしれませんが、動作には問題ありません。

長さを整理します。写真の部品は本体の全長が53㎜、リングまでが14㎜、リングが3㎜、リングから後ろが36㎜です。リングの前とリングの長さは調整で変わる可能性がありますが、リングから後ろは、おそらく36㎜で固定されるはずです。ここが違うとノックボタンの位置も変わるので、キャップをはめるとノックできなくなったとか、色々支障が出る可能性があります。

リングは接着していますが、ボールペンの本体表面は塗装でツルツルなので、少し強度が心配になってドリルで穴を開け芯を差し込んでみました。この辺りの効果は使い続けてみないとわかりません。

 

ロートレット部分は削りこんで内径10㎜のパイプを被せてあります。調子に乗って少し真ん中を削り過ぎていますが、特に影響は出ないので気にしません。組み立ててパイプの長さ等を調整したのちに接着します。

 

組み立てて完成。

こんな風にパーツを取り換えると、ちょっと雰囲気変わって楽しいです。

しばらくは、このパターンで使ってみようと思います。

 

※おまけ「バーディを使った簡易バージョン」

例によって書いているうちに思い付いたので、ちょっとやってみました。

試したのはバーディです。最初にやった改造ではバーディをケリー本体の後ろ側に固定していましたが、ケリー本体内部の先端に当たるまで長く(75㎜位)して、内部全体に入れ込みます。

 

リングも取り付けてみました。外径8㎜内径6㎜のパイプを3㎜の長さに切り、切れ目を入れて(断面が視力検査のマークみたいになります)ペンチで押さえながら接着しており、おそらく強度は十分でしょう。

面倒ならリングは作らず、先端にテープを巻いて押し込むだけでもOKです。別のケリーに入れ替える時でも位置が先端で固定されていますから、位置調節が不要で問題なく使えると思います。

 

この部分の作りは最初に改造した時とほぼ同じで、ノックするのに不足する芯の長さを外径2.35㎜のパイプ(長さは1.4㎜を目安に調整)で補いますが、最初の改造時より4C芯が前方に出ている長さが長いです。

ひとつ前の写真を見てもらうとわかると思いますが、ノックした時に芯タンクがバーディよりはみ出さない位置で調整しないと、ケリー本体にぶつかってノックできなくなりますので、そこだけは注意してください。

あと使う芯タンクは、グラフ500かグラフレット辺りが細くてバーディ内部で引っ掛かりません。

 

外見は最初の改造と変わりません。

ノックボタンにオリジナルを使わないと調整する箇所が少なく割と楽に作れますし、着せ替えも簡単で、おまけにバーディの方が入手も簡単なので、ノックボタンへのこだわりが無ければこちらがお勧めです。