そしてGRARH 1000はボールペンへと改造された

ぺんてる GRAPH 1000 改造ボールペン(ノック式)

何が「そして」なのかというような細かい話は兎も角、以前からやってみたかったボールペン化に挑戦してみました。

いつも間にか名前が変わったシャー坊さんが、ドロップ式のボールペンを作ってみえましたが、私がやりたかったノック式が何とか形になったので記しておきます。

 

ノック式ボールペンは「ノックにより芯を固定」できないと筆記具として役に立ちません。しかし、元々シャープペンにそのような構造はありませんので、ボールペンからノックの構造部を拝借してくる必要があります。

で、今回試したのが次の2種類

SLIP-ON 木軸シャープ

プラチナ万年筆 手帳用シャープ

実はこれを見つけるまでに結構時間を要しましたが、どちらを使ってもノック式ボールペン化は可能です。(あと、おそらくPILOTの手帳用ボールペンも使えると思いますが、今のところ内部機構が取り出せません。本体の太さが5.6mmと細めなので、適当な長さで切ってGRAPH 1000の内部を少し削れば、本体ごと格納可能なのではと考えています)

違いはノックの重さと、ノック後の全長でしょうか。SLIP-ONを使うとノックしてもノック部分が伸びたままになるので、ノックして芯を出した感がありません。

2022/8/12追記(訂正) 改めてもう1本分解してみたら、プラチナの方もノックボタンの戻りスプリングが入っていました。最初に分解した際、何処かに行ってしまって「入って無い」ものと勘違いしたようです。

 

続いてはペン先方面の加工。これはどちらも共通です。ちょっと違うのは削る量でしょうか。

ここの加工は毎度の事なので詳しく書きませんが、チャック部分を切り取って芯ケースを抜き取ったら、スプリングが通るくらいまで穴を広げます。なのでスプリングの直径が大きいSLIP-ONの方が穴が大きくなります。

 

ペン先は、ボールペンリフィルのチップが通るまで穴を広げた後、リフィル本体部分がノック時に動けるよう、内部を広げます。

丁度よいドリルの歯が無かったので、3mm位のビットに持ち手を付けて手動でグリグリしました。電動だと一気に突き抜けそうで怖かったし。

ここは、突き抜けないように削ります

わかりづらいかもしれませんが、口金の内部はこんな感じになります。内部を広げてあげないと、リフィル本体部分がつかえてしまい、ノックできません。

このくらい出れば、問題ありません

ここも、SLIP-ONの方がノックのストロークが長いので、深く削る必要があります。(写真はSLIP-ONに合わせたもの)
後は、使いたいリフィルの太さで削る直径も変わってきます。写真はジェットストリームなので、割と細めですね。

 

ノック部分を含めた内部構造は次の通り

こちらがSLIP-ON

こっちがプラチナ

SLIP-ONはGRAPH 1000のノックボタンに丁度収まるよう元々のノック部を削ってありますし、プラチナはテープをひと巻きする程度で収まります。

いずれもリフィルの長さが足らない場合は、古いリフィル等を切って継ぎ足し、長さを調整します。

偶然ですが、SLIP-ONはリフィルが丁度BICのボールペンと同じ長さになりましたので、アクロインクのリフィルなら無加工で使えるかもです。

更に、この時点では仮組なのでノック機構はマスキングテープを巻いて本体軸に押し込んでますが、かっちり止めたい場合は接着するか、クリップで隠れる辺りにドリルで小さい穴をあけネジで締めておけば良いでしょう。(ネジが長すぎるとノック機構が働かなくなる恐れがあります)

まぁ、と言いつつ、マスキングテープでズレずに十分止まっていますので、私はこのまま使うつもりですが。

 

2つの素材を紹介しましたが、結局日常で使用しているのはプラチナの方です。

理由は2つ。①ノックが軽い。②ノック後にノックボタンが押し込まれた感がある。(SLIP-ONは、ノック部分の内部にもスプリングが仕込まれているため、ノック後も長さが元に戻ります。スプリング外したらノック後に収まった感じになりますが、その状態で使用していると、急にノックできなくなったりしてあまりよろしくないみたい)です。まぁ、好き好きですね。

2022/8/12追記(訂正) 改めてもう1本分解してみたら、プラチナの方もノックボタンの戻りスプリングが入っていました。最初に分解した際、何処かに行ってしまって「入って無い」ものと勘違いしたようです。ただ、プラチナはこの戻りスプリングが無くても動作に支障は出ていません。

これはSLIP-ONを組み込んだもの

こちらはプラチナを組み込んだもの

最後にリフィルを私の好きなニードルポイントにしたタイプの紹介しておきますが、ニードルポイントも旧タイプはリフィルが細身だったのに、最近は少し太くなったため、最近のソフトインクを使いたい場合はペン先内部をもう少し削る必要があり、追加作業が面倒でジェットストリームのまま使ってます。

ニードルポイントのGRAPH 1000 やっぱりカッコ良いなぁ