rotring 500 の芯ホルダー化(落下したペンの為に)

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落下でペン先の壊れた rotring 500 を芯ホルダーに改造してみました

最初に断っておくと、私は今までロットリングのペンを使ったことは無く、この500は、元々妻が使っていたものです。

落下でペン先が曲がってしまったのを、一旦はまっすぐに伸ばして筆記が出来るようになりましたが、使っているとやはり気になるらしく「新しくしようかなぁ」とか言い出したので「それでは新しいのを買ってあげるから、代わりにそれを改造用の生贄として差し出しなさい」と言う訳で、私の元にやってきました。

ロットリングのペン先は前から2㎜芯が似合うように感じていましたので、早速取り掛かります。(製品化されているのもあるけど800は値段がちょっと・・・)

検索してみて出てきたのは1件(G3放熱日記)だけで、写真をみてもどんな改造をしているのか不明でしたが、芯径を変える改造は色々なペンの改造実績が世の中に溢れていますし、経験が無い訳でもないので、まぁ何とかなるだろうと考えたのです。

ただし、ノック式ではなく、ドロップ式です。ノック式にも出来るような気がしますが難易度が上がるのと、元々ドロップ式が好きなので問題はありません。

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中身はフエキの建築用シャープペンです

口金のガイドパイプは引っ張っても抜けなかったので、ねじ切ってドリルで穴を広げ(1mm位から始めました)2㎜芯が通るようにします。

フエキのシャープペンシル2.0mmは中身を取り出し、ロットリングの口金の中に入るよう、出っ張っている部分を削り落とします。

芯タンク部分の長さを調節してロットリングのノック部品を取り付けていますが、これをやると例えば三菱2㎜芯の新品は折らないと格納できません。消しゴムが付いた金具は諦めて芯タンクは切らずにテープでも巻いて太さを調節し、ノックのカバー部分だけを使うのであれば、ちょっと芯を送り出すだけで新品の芯でも格納可能です。

ロットリング本体軸は、本来ならフエキのチャックを含む金属部分が軸の中に入るよう、長さを調節して内径を広げてあげた方が良かったのかもしれません。しかし今回は何も考えず先に切り落としてしまったので、その加工は諦めて、フエキの芯タンク部分が通るよう5㎜位に穴を広げます。(写真では本体軸の切った部品の長さを合わせ径を広げてスペーサーのように使っています。気分的にガタつかないような気がしたのですが、多分余計な作業です。なおギリまで削らないと金属部分は通りません)

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口金が取り付けられる長さになっていれば大丈夫

フエキのチャック部分をはめ込んだ状態で、加工前の本体軸と同じ長さにします。(今回の加工だとこの長さが重要で、本体軸の取り付けネジのあたりで切り落とした後、実際に組み合わせてみて長さを調節しています)

シャープペンの構造を理解している方なら、ここで「ノックしたら芯タンクごと前に出出てしまう」とか「チャックを押さえるチャックリングが動かないのでは?」とか疑問を抱かれると思いますが、結局のところ、今回の改造により口金の中で稼働可能な部品はチャックのみなので、クラッチ部分が本体軸に固定されていなくても金具が動かなくても問題はありません。というか、チャックしか動かないように合わせています。

文章で説明するのは少し難しいですが、口金部分の内部は本体軸が収まっている部分の先が4mm径で6㎜程度の長さになっており、これがノックした際にチャックが緩みつつ前進できるスペースとなっているのです。(この4㎜径の穴は先端が少し狭まっているので、ノックボタンを奥まで押し込むと、チャックが閉まって芯の出が止まります)

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rotringに赤芯 これがまた美しい

そんな訳で、ドロップ式であれば、割と雑な加工でも使えるモノが出来ました。

フエキのチャックを含む金属部分が結果として絶妙な長さだったのと、その向こうにチャックが動くギリのサイズとも言える4㎜径の穴があったのが幸いです。

なお、伊東屋2mmシャープ 木軸 もチャック部分が同じくらいの大きさなので使えます(試してみました)が、フエキの方が値段安いし入手もし易いですね。

 

 

さて、ここからは妄想です。

その辺りを理解してもらった上で、役に立つようなら参考にしてください。

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ロットリングの口金断面図(かなり想像)

口金部分の断面は、おそらくこんな感じです。何本かのパイプを入れて通るとか通らないとかやって測った数字なので正確ではありませんし、何より絵心が無いので綺麗じゃないのは諦めてください。

で、今回の改造結果を元に断面図を作成したわけですが、チャック部分の取り付け位置によってはチャックリングが動くスペースが出来るので、最初に「ノック式に作ることも出来そう」と書いた理由はここにあります。