前回に続き、ユニホルダーを仕込みます。
芯ホルダーの場合、チャックの先端をどの程度出すのかによって雰囲気が変わりますが、Sシリーズにユニホルダーを仕込む際、口金の穴を広げてチャックを奥に入れ込もうとすると、Sシリーズのスプリングでは芯をホールドできなくなります。
なので、本体軸の内部を削り広げてユニホルダーのスプリングが入るようにしようと考えました。
試しに、部品どりで分解されて、その後一旦芯ホルダー化されて復活したものの、結局S3の方が良い感じに思われて再度分解されたと言う、鳴かず飛ばずになっているS10で試したのですが、途中まで上手く行っていたのに、ちょっと焦りが出たのか調子に乗ったのか、一気に仕上げようとしてパキっと割れてしまいました。
捨てるのはもったいないし、割れてても接着すれば大丈夫だろうと思い、以前S5をティッキーに仕込んだ手法で仕上げてみたものです。
Sシリーズにユニホルダーを仕込む元ネタのTwitter投稿を確認したところ、問い合わせが多すぎて現在その工程についての部分が削除されたようですので、他人のアイデアを解説するのは気が引けるようにも思いましたが、ちょっと詳しく書いておきます。
分解3本目で気づきましたが、よくあるラジオペンチの場合、カシメ用の真ん中のくぼみに挟むのがチャックを傷つけず、潰して芯の通りが悪くなることもありません。
チャックを真っすぐ立てた状態で挟み、前後に揺らしつつ上へ抜いていきます(単に真っすぐ抜くのは無理です)
途中、ペンチが滑って上に上がってきますので、こまめに挟みなおしてください。試してませんが、ゴムバンドみたいなのを間に挟むと滑り止めになるやもしれません。(次回があれば試してみます)
今回、仕込む予定も無いまま3本のユニホルダーを分解しましたが、いずれもこの方法で綺麗に抜けました。前回はペンチの溝がある部分を使ったので傷だらけになり、何より若干の変形で芯の通りが悪くなって直すのが大変でしたので、今回の方法が良いと思います。
さて、本体部分の加工です。
割れてしまったS10の口金から1.5cmの辺り(測り忘れた)で切り離します。
実はこのS10、口金を他の改造で流用した残り物なので、結局今回使うにも別のS3から口金を流用するという訳の分からない状態。(踏みつけて壊したS3なので有効活用と言えば有効活用)
順番は兎も角、切り取った部品の中と外を削ります。更にティッキー本体も内部を削ります。
ドリルにパイプか鉄芯をセットし、先端に両面テープでサンドペーパーを巻き付けて中を(S10は、この工程、写真撮って無かった)、マスキングテープを巻いて部品をはめ込み、外側切り口近くを削るのです。
中を削るのは丁度良い径のドリル刃があればもっと楽なのでしょう、きっと。
まぁ、何にしてもドリルとかリューターとか、文明の利器があれば作業は楽になるものです。
はめ込んで、口金を取り付けると、まだ隙間が...
もう少し削らないと駄目かと思った矢先、この隙間はリングの為にあるような気がしてきました。以前もティッキーの改造で赤いリングを取り付けていますので、思いついた途端「それしかない!」と確信したのです。
赤いリングは前にも書いた通り、壊れたシャープペンの軸を輪切りにして作りました。もう残っていません。
上の写真をよく見るとS10の部品にハッキリ割れた痕が確認出来ますが。接着するので強度に影響は無いはずです。
なお、どうしてもティッキー本体を削った時に削り口の方が大きくなるので、差し込んだだけだと微妙な隙間が出来てグラつきます。パテ埋めもできるタイプの接着剤でしっかり固めましょう。
おっと、写真を見直して気が付きましたが、黒い芯ケースの部分が左右逆になっており、このまま差し込んでもチャックは固定できない事は言うまでもありませんね。
一度組み立てると再分解が多分不可能なのでスプリングの長さは迷いました。
上の写真を撮った後も悩んで、結局Sシリーズのスプリングと同じ長さに合わせて切り直しています。
ノック部はティッキーのを被せただけですが、流石にそのままではスカスカなので、マスキングテープを1周弱巻いてから被せました。ノック部にある滑り止めの凹部(ポンチ穴みないなところ)がマスキングテープを巻いていない所に来るよう調整して被せると良い感じです。
ユニホルダー、S10(試してみるときはS5でどうぞ)、ティッキーの3本から1本を作り、残った部品に活用の余地が殆ど無い不経済な改造芯ホルダーではありますが、私はとっても気に入りました。芯を出した時のバランスがとっても美しい。
芯を出していない時は、まぁこんなもんか。というのが正直なところ(笑)